2018年2月鑑賞記録

8.不能犯
そこはかとなく脳男と脳内でフュージョンしてきてしまった。笑
不能犯の自分の手を汚さない方法(殺人として立証できない)よりも、殺人を依頼した側、殺される相手に指定された側のバックボーンの方が強く描かれていてねぇ。安易に殺意を抱いて依頼してしまう前に、もっとコミュニケーション取ったら?という感想しか持てなかった。

まぁそれも伝えたかったことだろうから別にいいんだろうけど。
宇相吹がキャラクターとして魅力的に映っていなかったのが残念だったかな。宇相吹に対峙する人の視点が多かったから集中できなかった気もするし。

 

9.羊の木
なんか早々に撮影してたから期待値めっちゃ上がってたんだけど、なんかそれほどでも......?
なんだかんだフラットに接しているようにみえて、自分の望む立場(この場合は想い人の恋人ってポジション)が奪われたときには前科があるくせに!と罵る要素にしていたのを見て、あぁ人間ってこんな一面あるよね、って思わされた。

まぁこの場合は前科っていうちょっと大きい要素ではあったけど、なんかしら相手の落ち度を探して攻撃の対象にするという意味では普遍的な話なのかも。
(とこの作品の主題ではないところで話を完結させてみる) 

 

10.犬猿

いがみ合ってきた兄弟、姉妹が大きな喧嘩をして何だかんだ和解して、やっぱりそんなうまくいくわけないよね、って話。
兄弟姉妹の兄弟喧嘩は観るに堪えない......というくらいあるあるでリアル。しんど。最後に不穏な(けれど決して特別ではない、日常としての)シーンで終わった構成力さすがすぎました。。

 

11.マンハント(追補 Manhunt・2018・中)

監督がアクションを撮りたかったという言葉に終始する気がする。
銃を渡された時に「自分は撃たない」と言っていたのがすぐに言葉を翻して撃ってたのにはびっくり。信念があってそう言っていたのに自分の身を守るために前言撤回するの??と 強く矛盾を感じてしまった。

 

12.グレイテストショーマン(The Greatest Showman・2018・米)

観終わってすぐにミュージカル好きのうちの母にこの映画をお勧めした。数日後返ってきたのが「曲がよかった。全曲」「でも話は普通だった」だって。持つ感想一緒って面白い。

自分のやっていることに誇りを持っていて、それを認めてくれた相手がいて、やっと心から寄り掛かれる人ができた...!って思っていたのに、向こうはどんな建前・理由であれ同じ気持ちではなかったんだなぁって痛感せざるを得なかったときの絶望とか空虚感とか怒り悲しみetcは半年近くなっても鮮やかにまるで経験したかのように思い出せる。

 

13.リバーズエッジ

死体と同性・異性愛がテーマになることも多く(というのは私が感じただけかもしれない)、時々はっとさせられた。
これで今でも覚えてるのは、ゲイだと明かした山田くん(吉沢亮)に対して、若草さん(二階堂ふみ)がいろいろ質問(要はタチネコどっち?とか)ことに対しての回答が「じゃぁ若草さんは?」と彼女にも同じような種類の質問を投げかけて「デリカシーないと思わない?(雰囲気)」と言ってのけたこと。
確かにヘテロしか知らない側としたら想像すらできないんだから気になってあれこれ聞いちゃうこともあると思うけど、それは自分の身に置き換えれば相当デリカシーのない、踏み込んだ質問だったんだなって考えさせられた。仲いい友達ですらその話題は相手を選ぶのに、大して仲よくもない人に聞いて許されるはずないよ。。それから飲み会での猥談(するなよ)でもなんかいろいろ気にするようになったかも。笑い話・話題提供のつもりでも誰かを傷付けている可能性があるんだなって少しは思慮できる人でありたい。
山田くんをいじめてた彼は彼女の若草さんに相手にされないし、その腹いせに彼女の友達に合意で手を出すし、その友達はそのことで優位に立ってるつもりかもしれないけどそれ相応の何かは負わされちゃうしうまくいってるというか因果応報というか。そんな起こりえないような理解しえないようなものが全て高校生という不安定で限定的な時期のある種特別感でなら成立しちゃうような気持ちになるのが青春マジック。知らんけど。
(相変わらず森川葵ちゃんはウザい役がうまい)

リバーズエッジってあの死体が置かれていた場所のことだったのね。最後に気付いてはっとしたなど。

関係者インタビューみたいなシーンが挿入されていたけど、私はああいうシーンない方が好きだな。物語に没頭したかった。

 

14.薔薇とサムライ 

当時はミュージカルなんて観たことなかったから、わ~シャルル歌うまっ!って思ってたけど、現場沼に落ちてからあれは浦井くんだったということを知って誇らしいやらもったいないことをしていたやらいろんな気持ちに苛まれた。
何はともあれ、強い女が主人公のお話、大好物っす。

 

15.スリービルボード (Three Bill Borad・2017・米)

強い母親ミルドレッドと、黒人差別主義を隠そうともしない警官ディクソンと、みんなに慕われ、ミルドレッドに責められる署長。広告社の従業員とミルドレッドに肩入れする低身長な男、新しく就任した黒人の署長。

ミルドレッドは強いキャラのままいてくれたらよかったのに放火って......せっかく主演女優にいいイメージ持ってたのにな。って思わされたんだからもう狙い通りよね。娘が殺されて、犯人が捕まえられなくて、十分同情されるべきなのにどんどん観客がそこまでしなくても......て引いていくという。笑
ディクソンも広告屋を2階からぶん投げるという警官とはあるまじき行動をとったりして、あぁ、このメインの人たちにはついていけないな......というのが7割くらい観終わった時点での感想だった。

それが責任をとって犯人を見つけてほしいと思ってたのに自殺されちゃったし(事件は関係ないにしろ)、利用だけしようと思ってた男をあしらってさえいたのにしっかり自分は庇ってもらっちゃったし、放火まで至ったのは早とちりだったし、黒人を軽視していたのに新しい署長は黒人で従わざるを得なかったし......それがすったもんだあって娘を殺した犯人じゃなくて、別のレイプ犯を追って車に乗り込む......あら、その方向に着地するの?という驚きね。笑

上記以外にも元旦那についてのストーリーとか省略したけど、善悪が自分の意識とは全く違う方向に転がっていくのが興味深いなと思った。(けど詳細は既に忘れてしまった...)

 

16.The Beguild ビガイルド 欲望のめざめ(The Beguild ・2017・米)
元作品未鑑賞。遠い記憶にはなってしまったけど、オープニングのランドスケープがソフィアコッポラっぽいなって思った。

この物語については男女の駆け引きや、集団の中のポジション争い、マウンティングなど少なからず考えたこともあったけれどそもそもの主題がよくわからなかった。

主導権が女から男、そして女へと変遷していくさまが面白かったかも。

うーん。やっぱり監督と感性が合わないのかな。。