2017年6月鑑賞記録

34.22年目の告白
結末よりも、中盤のネタばらしの方が衝撃が大きかったのは私だけなのかしら...?

藤原竜也伊藤英明 W主演という割には、藤原のたっちゃんがリバースついでに映画の番宣してるところしか見てなかったし...中盤あたりまでそれに加えて仲村トオルはもちろん被害者遺族それぞれが何か抱えてそうな描かれ方してたから、全員主役、とまではいかなくてもスポットライトが当たる作りになっているの、結構意外だった。あ、藤原くんが主演というわけではないのね、って。まぁ最近よく見る手法って感じだけれども。(そこまで真新しくはないけど)

中盤、実は曽根崎は牧村とグルで(ついでに医者も)、手記は警察内部の情報を使って牧村が書いたものって明かされたときに、話の展開が読めなくなったな。真犯人にはなかなか迫れない(後から考えれば伏線は結構あったけど)のに、ジャーナリストの仙堂に焦点が当たり始めてたからその展開以外はほとんど考えられなかった。ただし、仙堂の動機が身近じゃないから(言ってみれば、虐待は連鎖するに近いものがあるのかもしれないけれど)あんまりスッキリはしなかった。

牧村妹の彼氏(野村周平)→自称殺人犯(藤原竜也)からの華麗な変身にも驚かされたけどね。そりゃこの展開では、この映画の番宣はたっちゃんが担うしかなかったよなって実感させられた。

時効に関する法律改正、その前後でのタイムリミットの緊迫感がストーリーを加速させるのに一役買っていたな。そこで韓国版のあらすじを見てみたらだいぶ違って、ここの改変はあってくれてよかった。日本版でも結構無理があるところはあった気もしたけど。。(例えば仕掛けで縄が落ちてきてそのまま人の首にすっぽり引っかかる確率とかね)(細かい)

何がもったいなかったって早乙女太一くんよね。はじめ、ヤクザの情婦の息子役で顔中にピアスしてたからあれ?もしかして?くらいでしか認識できてなかった。あんな(キーパーソンではあるけど)ちょっとしか出演時間なかったのがもったいないというか贅沢というか。
あとは夏帆ちゃん、あぁいう繊細な役がお上手だな、って。泣き喚いてもキャンキャンうるさくないって結構重要だと思っている。

 

35.パトリオット・デイ(2016・米)
爆発する......する......って怯えながら見てたから疲れた。
突然の大きい音が苦手って気付いて初めて、うちの母や国分太一くんが風船の割れる音が嫌いっていうのが理解できた気がする。(いきなり蛇足から始まる)

2013年ボストンマラソン爆弾テロの事件について、102時間で犯人を逮捕したという実話。まぁ主人公は実在しない人物を置いていますが。
所轄刑事とFBI捜査官の対立と協力関係があって事件の真相がどんどん紐解かれていくのは見ていて面白かった。ただ、事件が実際にあったテロという性質もあり、物語に没頭して手放しに面白かったって言えないところもあるのだけれど。

印象的だったのは、劇中2,3回程度描写がある、亡くなった少年のそばに佇む警官の姿。その少年は証拠になるからそのまま置いておけとFBIに命じられ、シートを被されたまま、現場に置かれるんだけれど、現場検証している間も、捜査本部が別の場所に立てられて関係者が全員いなくなっても、少年と警官はその場に残されてる。殺人事件とかでなくても、縁者でない死体と同じ場所にいるのってちょっと薄気味悪いなって感じるのだけれど(仕事だとまた別かな)(そこにいた”人”が魂が抜け出た瞬間人じゃないように感じてしまうのはどうしてなんだろう...)、なんだかその姿が(警察・)FBIのエゴを表していて、憤慨したいやら、捜査上仕方がないやらでなんとも言えない気持ちになった。この警官...だと思うけど、の表情がとっても好きだったなぁー。親の元にも返してもらえない少年の亡骸を守る親代わりのようで頼もしくもあったし、捜査の本体に加えてもらえない彼の立場・職務に同情をさせられたりね。

警察とFBIの活躍よりも、私は宗教観とボストン市民の地元愛に全く正反対の意味で恐れを感じた。

まず、宗教観。犯人はイスラム過激派の兄弟だった。9.11の事件もテロではなく、アメリカ政府が起こしたのに、正しい歴史を伝えようとしていないのだとカージャックした際に話していたこと。犯人の兄の方には嫁子供がいたのだけれど、奥さんが事情聴取を受けた際に「イスラム人女性は2人の神に従っている。1人は神、1人は夫(だから、尋問されたところで口を割ることはできない)」って強い意志を示したのには恐怖すら感じたよね。恐怖って言うのとはまた違うのかな...私の中には存在していない強い信仰心が未知すぎるからそう思ったのかも。宗教もそうだし、対象は神じゃなくとも、誰かを強く信じることが出来さえすれば、人は強くなれるってことなのかしらね。

だからこそこの結末も、ボストンはテロに屈しないし、愛が打ち勝つというメッセージで締められていたのだろうなと思う。
テロに遭ってお互いに片足を失った夫婦が悲観的になることもなく、被害を受けたボストンのマラソンに義足で出場して完走を果たした旦那さんを奥さんがゴールで出迎えるところとか、子供を庇って自分より先に病院に行かせたお父さんが子供と再会するシーンとか愛に溢れてた。テロのあと、市民が発信したメッセージも、関係者インタビューも全て、ボストンへの愛が感じられた。


36.ジーサンズ(2017・米)
イギリス映画のリメイク作品。私は元作品を知らなかったけど、イギリスでは結構有名で人気のある作品らしくて、役者さんもシリアスな人ばかりが出ていたんですって。

では今回の作品。3人のオスカー受賞者を集めて映画を撮った。それは好ましい。むしろ観に行きたいと思った。
まず劇場に入って一番驚いたことは、客層がめちゃめちゃ高かったこと。。主演陣と同世代か、彼らが全盛期だったころをリアルタイムで知っている方たちがこぞっていらっしゃったのかな。...といっても、日本市場とは違って海外は年を取った方が敬われるし、その価値が正しく評価されているので、常に今現在が全盛期であると自分注を入れさせていただきますね。
実際、映画自体はどうだったかというと、私には退屈だったな。うとうとしちゃったので、全体を把握してないという前提のもとでお話ししますけど、会社の年金がもらえないから銀行を襲っちゃえというのは短絡的すぎるし、その無謀な計画にあっさり乗っちゃうのもどうかなと思うし、コメディに仕立て上げてるから仕方ないと思うんだけど、老人だからこそという点を笑いどころにしているのが、面白いと思えないんだよね。笑いを取ってるんじゃなくて笑われてる、というような笑わせ方(上手く言えないけど)はなんだかね。。

洋画に出てくる、言葉を覚えたてのおしゃまな子供たちってとっても可愛いよね!!例に漏れず芯をついてて毒舌なのに許せちゃう。

 

37.フィフティ・シェイズ・ダーカー(2017・米)

前作からの改変に結構驚かされたんだけど。

日本だと感じてなかったけど、前作が思ったより話題になったから、受け入れられやすく方向転換したのかな?とさえ思った。題材的にそうせざるを得なかったのかもしれないけど、R18にするほど過激だったかな?(感覚麻痺)

原作を経て感じるところとしては、レイラもあっさり捕まるし、ジャック・ハイドもあっさりクビになるし(チャリティパーティに潜入する描写なんてあったっけ?)、全体的にエピソードが減らされて薄くはなってたんだけど、まぁ尺との関係上仕方がないだろうな、と。個人的にプロポーズの返事が既にグレイのポケットに入ってたっていうお話は好きなので、そこは入ってくれててよかった(削れるわけない)。それにしても、前回からの流れでグレイを受け入れられないというアナの葛藤があまり描かれてないような気がして、それはちょっと違和感があったけどね。だったらベッドシーンと大音量の音楽のシーンちょっと減らせよ。

全然関係ないけど、ホセ見ると友達思い出すから集中力切れるんだよなぁ...笑
共通点はスペイン語が母国語というだけなんだけど、あとは黒目の割合?(注:俳優さんはアメ人です)

38.アカドクロ
収録は2004年かな?全然キャスト見てなかったから、配役にびっくりした。
まず、沙霧役の佐藤仁美さん。今の私より全然若いのに貫禄がすごい......しかもまた沙霧役が合うんだよねぇ。対古田さんだからなのか、直近に見た花髑髏での捨之介との関係とはちょっと違って恋心のようなものがあんまり感じられないなーと。そういう関係の方が私は好きだけどね。

次に、捨之介と天魔王の一人二役バージョン。こういう風にやるんだ...と感心する勢いで見ておったわ。天魔王の仮面被って話すところ、録音なのかな?それとも代役の方が喋ってるのかな?古田さんが天魔王の仮面被って話すときとニュアンスが違い過ぎたから気になった。風髑髏ではどうなるのかが楽しみ。

そして、蘭兵衛がまさかの女性!確かに、美丈夫って感じの男性が演じるイメージが強かったから、女性が演じたって何の問題もないよね。ただ、女であることは捨て~みたいに言われてもいたから、そのあたりの描かれない葛藤を想像できるのが新鮮。
そこまで中性的でない向井理の蘭兵衛がどうなるのかな、と思ったけど先に池内さんVerのアオドクロをゲキシネで見る方が先かな?より男っぽい俳優さんが演じる蘭兵衛も楽しみ。

坂井真紀さん演じる極楽太夫。初期の方は、みんなのリーダーって感じの立ち位置だったのかな?ワカドクロからはカリスマって感じの太夫だったから、結構意外だった。
河野さん演じる三五しか裏切り役は見たことがないからなぁー粟根さんになるのも楽しみだしなぁーあの役、浜中文一くんがいつか演じてくれないかなとも思っているのですよ........似合うじゃん?あの飄々とした感じが。
でも月髑髏にはスケジュール的に無理であるからあと......7年後??