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映画 ブルックリンから考えること

(下書きを書き始めてから2か月くらい放置してしまっていた)

ブルックリン(2016(日本公開)・アイルランド/イギリス/カナダ合作)
 
アイルランドに暮らしていた地味で控えめな少女エイリシュは、姉の勧めでニューヨークはブルックリンに移住した。ニューヨークでも華やかな人たちからは相手にされず、自分に自信も持てなくてホームシックに陥る。見かねた世話役の神父が学校に通うことを勧め、やがて自信を取り戻していく。
パーティで出会った男性と恋に落ち、ニューヨーカーとして変わり始めたエイリシュだったが、大好きな姉の悲報を聞く。
故郷に戻る前に、戻ってこないと懸念したボーイフレンドから結婚しようと言われ、誰にも知らせず結婚届を提出してしまう。
 
姉の葬儀のためにアイルランドに戻ったエイリシュだったが、友人や母親がなかなかニューヨークに帰してくれない。
今までは相手にしてくれなかったような男性も、洗練されたエイリシュに会い、恋をするようになる。
 
アイルランドとニューヨーク。場所も違えば相手も違う2つの間で揺れ動くエイリシュがどこでどうやって生きていくのか。
1人の少女が自立して自分の人生をメイクしていく物語。
(脚色を多分に含む)
 
*******
きっかけは友人だった。
「見て感想を聞かせてほしい」
そんなこと言われたことがなかったので、珍しいと思いながらも予定外の作品を見るために映画館に向かった。
 
結論から言うと、私は全くエイリシュが理解できなかったし、揺れ動く心情を見てイライラすらしてしまった。正確に言えば理解はできるが、同調はしかねるといったところ。
この映画のキーワードをあげるとしたら、女性の人生の選択だろう。(あらすじそのままで恐縮だが)
 
女性でなくても実家を離れて生活する人も多いので、例えば実家に戻って就職先を探すか、大学などがあった都市で働くかを経験した人であればいくらか感じるところが多いかもしれない。
しかし往々にして、生家や苗字、仕事、プライベートを犠牲に(という言い方はポジティブではないけれど)、結婚や出産・育児などライフステージの変化を丸々自分で支えなければならず、自分の意見や希望通り生きることができないケースが多く見受けられるから、女性の方が感じることが多い映画かもしれない。特に日本では。
(思考が基本的にペシミストだなぁと読み返すたびに思う)
 
私の感覚では、故郷から出て新しい自分を手に入れたのに、なぜまた振り出しに戻らなければいけないのか?と感じてしまう。
いくらアイルランド(故郷)で魅力的な人に会っても、それがニューヨークで洗練された結果であるなら、新しい自分の居場所はニューヨークだと考えるだろう。一歩も外界に出たことがない時分に相手にされなかったのに、都会から戻ってきてちやほやされたところで、私の虚栄心はきっと満たせないと思うから(決して威張っていうことではない)。故郷での彼=郷愁とか、飾らない自然体の自分でいられるってことなのかもしれない。でもそれでも私の選択肢には入ってこないだろう。
実家のある町は好きだが、私の生きていく場所ではないと思っているし、だから私はずっとここで暮らしている。
∴私は過去を振り返りたくはないし、これからもなりたい自分に変わることができる可能性を強く信じられる場所でしか生きていきたいとは思わない。例え物理的に一人ぼっちであっても。
といった結論になろうか。
 
一方、海の向こう側で暮らしたことがある友人から言わせると、海を越えて生きる環境が変わると、このように感じるのだという。詳しく聞いたことがあったが、しばらく前なので忘れてしまった。
 
だとしたら私はやはり陸続きの場所でしか生きていないからなのかもしれない。
親がいなくなってしまったとき、もう私は日本にこだわって生きるつもりはないのだろうと悟っているし、これまた頭のおかしな話だが、関ジャニ∞が日本で活躍しているうちは日本を離れることができないと思い込んでいたが、浜中文一くんを好きになってからは、いつ日本を飛び出してもいいとさえ思えてきてしまった。
なぜか?それは彼が世界一になることがわかっているからである。場所なんてどこでもいい(けどできれば現場には足を運びたいな)
 
(結論がまさかの方向に落ち着いてしまったので話を続けることにする)
 
主演のシアーシャ・ローナンはまだ22歳ながら、つぐない、ハンナ、ビザンチウムなど(私の中の)話題作に多数出演していた女優である。
それまでは子役のような印象であったが、ブルックリンではもう女性として生きていた。主演の名前で検索しながら、過去の出演作で上記のものがあがってきたとき、同一人物とは思えなくて驚いたくらいだ。
つぐないもハンナもスモッグがかかったようなどんよりとした灰色のイメージの映画だったけれど、個人的には好きな映画なので、未見の方はよければいかがですか?
 
あ、この映画に関しての考察をしているときに話題に出てきたことをもう一つ。
”Be the change that you wanna see in the world.”
ガンジーの有名な言葉らしい。私は不勉強で知らなかった。
なにより、日本語で言い直してもらっても理解できない概念だったし、答えが自分の中になかったことが猛烈に恥ずかしかった。
日本で生きている人には難しい思考なのかもしれない。
自分が望む世界にするために、自分はどんなきっかけになれるか(都合のいい解釈)。私は今でもこの答えを探している。
またいつか聞いてね。