2019年1月鑑賞記録

1.ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(Westwood:Punk, Icon, Activist・2018・英)
ヴィヴィアンはこういう風に始まったんだーと思いつつ、今まで見てきたファッションのドキュメンタリーとの違いに違和感がぬぐい切れなかった。その時の私にヴィヴィアンの強さは眩しすぎたのかもしれない。。 

2.チワワちゃん

私、映画はだいたいストーリーラインと場面の繋ぎ方という点で映画を見ることがほとんどだけど、二宮監督以上に効果的に音楽を付けられる人はいないのでは?と絶大な信頼を寄せている。(音楽監督の采配だったりして)

BAMBIさんの映像仕事初めて拝見したのだけれど、全然違和感なかった。ジャンルが違うとはいえ(バックグラウンド詳しくないのでそこはご容赦)、動の表現だからなのかしら。

場面によっては?手持ちカメラで揺れる心情とリンクしてみせられ、いつも感情揺さぶられる。色彩とかthe limit of sleeping beautyにもリンクさせられるようでいて、あの淫靡で怠惰で倦怠感漂う場面(と金庫から徐々に減っていく札束)のサブリミナル効果が秀逸で。見たことない方にはは渇き。のような、億男のようなあんな感じの場面と言ったら想像していただけるかしら。

若手の監督にどんどんチャンスがあるといいし、ベテランの俳優陣がメインとなるような映画がたくさん撮られればいい。そういった意味ではまだまだ邦画はポテンシャルがあるのではないかしら。「洋画しか見ない」勢がいなくなればいいなといつも思う。

3.マスカレードホテル

これも豪華な出演陣で、しかも真相が見えそうで見えなくて二転三転するあたりはさすがだなぁと思った。ただ、映像だからなのだけれど、あの怪しげな老婆が松たか子だってわかってしまったからあぁきっとこの先の展開は...と読めてしまったところがある。悪い癖である。

4.刀剣乱舞

新感線の髑髏城経験者が本能寺に纏わる編のストーリーラインを辿っているのに胸熱。かっこいいは正義だよ......また一人推してしまいそうな俳優さん見つけちゃったし。さて誰でしょう?笑

5.YUKIGUNI
以前観た、杜氏のお仕事を追うドキュメンタリーと似た感じを期待して観に行ったけど少し違ったな。公開規模も小さかったし、地元密着って感じの映画。でもあぁいうのが作られる映画環境っていいなぁって思うんだよね。興行ありきじゃないのがさ。

6.サイバーミッション(解碼遊戯 / Reborn・2018・中港合作)
この映画ってタイトルと中身が一致してないように感じるのは私だけでしょうか?いっつも劇場のポスター見て、あぁやまぴーが出てるやつ!って再認識を繰り返していたイメージ。
(所感:特記事項なしと敢えて書いてしまう)

7.二階堂家物語
これまた複雑な映画だなぁ。ここまではっきりしていなくとも封建的な社会(家庭とも置き換えられる)はきっとどこにでも残っているんだろうなってぼんやり考えてしまった。
お父さんはなくなった息子を引きずってるし、娘しかいないから気に入ってる若者とくっつけてしまえと目論んでいるし、お祖母ちゃんはそれこそ代々血縁でつないできた家を絶やすまいと息子に若い女を宛がおうと色々画策しているし、娘は娘でそれに反発するように外人の彼氏(この彼氏が言う言葉に結構真理が詰まっていて面白かった記憶)がいちゃったりなんかして、継がないかと思いきや自分が継がなきゃと思ってみたりするし、それに振り回される彼氏も言ってることに一貫性がないって怒ってみたりするし(ごもっとも)、そんな家に巻き込まれる会社や周辺の人達。あるあるではないのかもしれないけど、なくはないだろうなって容易に思い浮かべられる。
しかも監督が海外の方なんだよねぇ。それがより異様を浮き立たせてる気がするんだよね、古き良きという画角の中にぼんやり映る違和感のようなもの。これは監督が外人だからという先入観があるかもしれないということは否定しないけど(むしろ見たあとで知ったけど)、大きいくくりで第三者からの視点というのは少し気になるところではある。

この映画のインタビューで加藤さんがお話ししていたのがまさに、邦画におけるベテラン俳優が活躍する映画が少ないということ。最近は縁者にとどまらない活躍をされている俳優さんが増えてきているようにも思えるから、現状がどのように変わっていくのか楽しみである。

8.天才作家の妻 40年目の真実(The Wife・2017・瑞米英合作)
夫婦ってきっと好き嫌いだけで構成されているわけではないんだろうなと思いつつも、そういう面倒な面が見えてしまうから私は家族なんていらないって思ってしまうんだよなぁ。

9.十二人の死にたい子供たち
正体を隠すため?かよく分かんないけどはしかんの衣装の印象が一番強いかも。
犯人は一体??と話を盛り上げるのはスリル感あってとっても良かったけど、尻すぼみに感じてしまったのが残念。(終盤盛り上がり続けるサスペンスって難しいんだな......)

10.ジュリアン(Jusqu'a la garde・2017・仏)

最近(最近とは?)、フランス(語)映画の敷居が低くなってるなって感じるのは私だけかしら。ってか、大抵そういう映画は単館系だし、そういうところに集うのは映画好きが多いだけかと自己完結。

ま、この監督は”第二のグザヴィエ”と言われていたけど、グザヴィエ・ドランの功績は大きいと思う。

子供がフィーチャーされてタイトルになっているというあたり、私はロシア映画のラブレスをイメージしていたのだけれど、数年前のアカデミー賞にノミネートされていたルームに近いものを感じた。親からの解放という点ではある意味近しくもあるけれど。お母さんを守ろうとする息子、私も欲しい。

他の方のレビューでお姉ちゃんについて触れられていて、フランスでも問題になっている(らしい)中絶とか、日常生活の中の何でもないような命についての風刺のようなものを感じさせられた。
最近、「女性が自ら産まない選択」をする権利としてのピル服用についての記事を読んだばかりだったからなんとなくこの作品にリンクしてしまった。

作品中で元旦那が深夜尋ねてくるあたり、ちょっと描写がわかりにくかったのが惜しかった。一瞬正気に戻っちゃった。
深夜に隣がうるさかったってだけなんだろうけど通報してくれたおばちゃんグッジョブ。

1月だけで10本とは思ったより飛ばしていたようである。映画が豊作だと生活も潤うね。(HDDは枯渇しっぱなしだけど)