2018年10月鑑賞記録

62.バッド・ジーニアス 危険な天才たち(Bad Genus・2017・泰)

巻き込まれてしまった優等生の男の子、更生するかと思いきや、完全に開き直ってそっち側にいっちゃう結末に笑っちゃいながらも、人間らしいしありえる選択だなぁって納得してしまった私がいた。
あれが犯罪か何かに該当するのかまではわかんないけど、順当に学歴を得て働いていくにしては大きなハンデを背負わされてしまった(というかほぼ無理なのかな)のだからなぁ......でも決断したのは自分だとはいえ、巻き込まれた結果があれなのだとしたら同情の余地しかないけどね。。

そして優秀な同級生の力を借りて海外大学に留学しようとするセレブ子女のみなさんは、身の丈に合わない進学なんてしても無駄なんじゃない?と思わなくもなかったけど、完全な学歴社会ってそういうもんなのかなって違う世界の話をぼうっと見てた感じ。(タイがそういう国かどうかは知らない)
タイ映画ってあまり見た記憶がないんだけど、たまに出てくる英語にちょっとほっとするシーンもあったり。

なんかせっかく優秀なんだからもっとシステマチックな方法取れたのでは?と思わないでもないけど、テストを解いてその回答を記録してトイレに隠した携帯で送信する(→その回答をある方法で暗号化したテスト用鉛筆を作成して配布する)なんてアナログな方法、本当に優秀じゃなきゃ取れない気もする。

63.散り椿

監督の好みときっと合わないんだろうな……

事前に映画史か何かで読んでいた、当日現場に入ってから殺陣を変えたシーンはどこかな…と思いながら見ていた。

64.あのコのトリコ。

実写化されて初めて、この原作が原作向きの少女漫画だったんだなって思い知ったとこある。
ちょいちょい設定が変わっていて違和感がすごかった……
あんなに昴が頼を認めてない感じ強かったっけ?

あと実写化されるとやっぱりいくらかあざとさがでたり、漫画みたいに場面を切り取ってるわけでなく連続映像となるからか、私の意識外の動きをされるからこんなはずじゃなかったって思ってしまいがち。

あーあと、なにが違和感感じたかって、原作中で私の視点は雫だったけれど、映画ではわかりやすく頼目線だったからなのかも。

今思い出してみると、なにかが残るという映画ではなかったなぁ。
上映時間中に全て(未来の成功した姿まで)詰め込まれていたおかげで、あっさりに感じてしまった。

65.教誨師
教誨師っていう職業ではなくて、刑務官?視点でのお話ならそんな映画あったよねぇ。(確か見てないけど)
死刑執行待ちという状況も、刑務所という環境も身近ではないながらも、そこにたどり着くまでは紛れもない現実で起こったことだからこそリアルに感じることができたのかもしれない。

教誨師という職業があったということも初めて知ったのだけれど、基本的にキリスト教徒ではないであろう人達に対してキリスト教での教えによって改心できるものなのかね?と思わないこともなかったけど、異宗教の方がちゃんと聞く気になるのかもしれない……とうだうだ考えていたら実は仏教の教誨師の割合が多いらしいということを知った。
そりゃそうだ。

観ているときには会話を追うのに集中力遣ってしまっていたからストーリーを把握した上でもう一回見たいな。

66.フィフティ・シェイズ・フリード(Fifty Shades Freed・2018・米)

原作読んだときはダーカーからフリードまで息をつかせず読まされたけど、1年くらい空いたことによってそのスピード感やサスペンス感が少し遠く感じてしまったかも。
でも1作目のなんだこりゃ駄作っていう印象は払拭できたと思う。ありがとう文ちゃん!! 

67.億男

世界から猫が消えたならの時も思ったんだけど、不思議な後味で終わるんだよねぇ。

お金さえあればなにもかもうまくいくって思ってたのに、お金がなかったから生じた問題でなくお金を稼ぐのが主目的になりすぎてスタンスが変わってしまったせいで奥さん(まさかの妻帯者設定に冷や汗)は離れて行ってしまう。
借金を返すことに必死になり、そして大金を得たことでバランスを崩してしまいそうだった一男は九十九のおかげで冷静さを取り戻す。
最後、「借金がある父親を気遣ってなかなか言えなかったけど、娘が欲しがっていた」自転車を贈った一男に対して(元?)奥さんは優しく微笑む。そんなシーンで終わった。この家族がどんな形になるのかまでは示されなかったけど、明るめのト書きを書きたいくらいには明るい未来だった。

お金とは何かという漠然とした概念を考えされられた。(自分の答えはまとまらないけど)

確かに、絶対的な価値を持っているけれど、人によってその価値は相対的に変わるなぁとしみじみ痛感した。

これっていうまとめ(というか自分的要約)ができなくて、ちょっと歯がゆい川村作品なんだけど、たけるんがなんかの雑誌で、自分ではコントロールできないものとして「寿命」「お金」「恋愛感情」をテーマに書かれた作品のうちの一つだって教えてくれて、しっくりきたんだ。
自分ではコントロールできない感情を現時点の私が早々に要約できるはずもないんだってね。(映画の感想とそれはまた別だろって思わなくもないけど)

この映画を見てなお一生たんの底知れなさ(っていうかこの人いったい何者なんだろうって宇宙人を見るときの感覚)と、北村さんの化け具合(でも誰だかわかるからすごい)に驚嘆したのであった。

68.マイ・プレシャス・リスト(Carrie Pilby・2016・米)

自分の仕事とか、充実した休日を過ごすためにto doリストを作ることはあるけど、カウンセラーとかが作成した(指示された)リストをやってみるっていうのにずっと納得がいかなかった。

自己啓発本を全く参考にしないタイプだけがこんな感想持つのかなとも思ったりして。

あとこれ書いた時に思ったんだけど、原題はそのまま主人公の名前なんだね。主人公の名前がタイトルだとその人の生き方や考え方を映した映画なんだろうと思うし、邦題だと映画のストーリーの軸になりそうなものをピックアップしている。なんだかとても日本人の嗜好(思考?)が読めてしまった気分。確かに雑誌買うときって予めどんなトピック話してるんだろってチェックしてからにしちゃうもんな。(国民性というほど大きいものではないかもしれないけど)

69.旅猫リポート

寿命宣告された青年が家族のように大切にしている飼い猫のナナを信頼できる人たちに引き取ってもらうための旅を追っていく。
まぁいろいろあって当てが外れ続けるんだけど、ナナが新しい飼い主候補のところに馴染もうとしないところに悟へのデレが見られるのがほほえましい通り越して涙ちょちょぎれるっつーの。。

全然話は変わるけど、「家族の猫を病室に連れてきてもいいですか」っておばさんは看護師さんに尋ねる。看護師さんは「聞かないでください。ダメって答えるしかないんですから」
っていうシーンがある。私は頷く。
いろいろな規制が増えていくのに従って、チケット業務が難しくなっているのはわかるんだけど、あえてグレーゾーンにしてるんだからな!後から不利益を被りたくないのはわかるけどグレーがホワイトになるなんてほぼないんだからむやみやたらに突っ込んで黒にするな!と言いたい。全然違う方向のクレームだけどついでだから言わせて。 

70.ここは退屈迎えに来て

のちのち、この映画音楽をフジファブリックが手掛けていたこともわかって、だから最後キャストが口ずさんでいた曲が茜色の夕日だったんだ。
劇中で歌い継がれていく茜色の夕日がすごい不思議な曲だなーと思って印象に残っていたから、後から知って大変納得。

というのも、だーすーの最新アルバムをようやくiPodに入れて聞き出した(2018年11月頃だったかな)私はこの曲が聞こえてきて大変混乱→検索→上記事実確認。
今回どっかでカメオ出演してたっけ?とか、麦ちゃんつながりのストーカー映画(タイトル失念)を思い出したりして。
(単にだーすーがカバーしてたというだけだったのだけれど)